より良い自分を求めるすべての人のために

自由システム

株式投資

『株式投資の未来』まとめ【決定版】

更新日:

 

 

 

今回はジェレミー・シーゲル著『株式投資の未来』についてまとめます。

 

著者のジェレミー・シーゲルは、アメリカの経済学博士であり、金融市場に関するコメンテーターやコラムニストとしても活躍する株式長期投資の権威です。

 

『株式投資の未来』は2005年に出版されて以来、多くの投資家に絶賛され、長期投資のバイブルとなっています。

日本でも多くの投資家に影響を与えており、「長期投資家必読の書」とされています。

 

今回はその『株式投資の未来』の内容をまとめましたので、じっくりと読んでみてください。

 

先に概要を示すと以下のようになります。

 

①長期的に投資をするなら株式が正解

②株式のリターンは成長率だけでは決まらない

③実際にどのような銘柄のリターンが高いのか

④リターンは配当によって加速する

⑤具体的なポートフォリオ

 

 

それでは見ていきましょう。

 

 

①長期的に投資をするなら株式が正解

 

「株式は他の資産に比べて、リターンが高い上に、長期的にはリスクが低く、長期的に投資するなら株式を中心とするのが正解だ。」

『株式投資の未来』p199

 

 

出所:『株式投資の未来』p195

 

上のグラフは、過去200年間を期間として、株式、長期米国債、短期米国債、金、ドルを対象に、インフレ調整後のトータルリターンの推移を示したものです。

 

株式のリターンが際立って高いことがわかります。

 

株式は、1802年に投資した1ドルが、2003年に59万7485ドルになっています。

 

 

(1802年に投資した1ドルが2003年にどうなるか↓)

・株式→59万7485ドル

・長期米国債→1072ドル

・短期米国債→301ドル

・金→1.39ドル

・ドル→0.07ドル(7セント)

 

 

ドルはインフレによって、200年間で価値を大きく下げています。

 

お金はインフレによってその価値が下がる可能性があるを忘れてはいけませんね。

 

金や債券と株式を比較しても、株式のリターンが圧倒的です。

 

特に注目に値するのが、株式の平均リターンは、長期的に見るとどの時期にも一貫して年率6.5%~7%のレンジを維持していることです。

 

どの時期に投資を始めても、これだけのリターンが得られたというのは驚きです。

 

世界恐慌の時期も、第二次世界大戦の時期も、株式のリターンは一貫して年率6.5%~7%のレンジを維持しています。

 

株式の他にこれに近い一貫性を示した資産はありません。

 

シン
経済と社会が大変動しても、株式のリターンは一貫しています。過去200年間の社会的変化を考えれば、今後の社会の変化でも同じことが期待できると見るのが妥当です。

 

 

長期的に見て株式のリターンが債券のリターンを上回っていることは明らかです。しかし、それでも株式を敬遠する人は多いです。

 

株式は価値が上がったり下がったりして、変動性が高いというのが、その主な理由です。

 

しかし、実際には株式のリスクは長期で見ると債券より小さいことがわかっているのです。

 

もう一度先ほどのグラフを見ると、株式のリターンは「平均回帰性」があることが読みとれます。

 

「平均回帰性」とは、短期的に見ればきわめて変動性が高いものの、長期的に見ればずっと安定度が高くなる性質のことです。

 

実際にリターンに対するリスクを長期で示したのが以下のグラフです。

 

出所:『株式投資の未来』p198

 

 

保有期間が短いとき、株式は債券より高いリスクを伴います。

 

しかし、保有期間が長くなり、15~20年になると、株式のリスクは債券のリスクを下回ることになります。

(保有期間が30年になると、リスクは債券の4分の3以下に低下)

 

シン
この結果をもたらす要因はインフレです。債券はその性質上インフレをカバーしにくいため、長期になるとインフレをカバーできる株式のリスクの方が低くなるのです。

 

 

以上のことから、「株式は他の資産に比べて、リターンが高い上に、長期的にはリスクが低く、長期的に投資するなら株式を中心とするのが正解だ。」という結論に至ります。

 

 

②株式のリターンは成長率だけでは決まらない

 

「株式の長期的なリターンは増益率そのものではなく、実際の増益率と投資家の期待との格差で決まる。」

『株式投資の未来』p46

 

 

長期投資するなら株が正解ということがわかりました。

 

それでは、どんな株に投資すればいいのでしょうか?

 

投資と言えば、これから社会に変革をもたらすかもしれない先端産業への投資が思い浮かびます。

 

そのため、成長性のある最先端分野の事業を手掛ける新興企業の株に投資をすることがリターンを高めるのではないかと考えます。

 

しかし、シーゲル博士はこういった投資が、長期で大きなリターンを得ることは少ないと言います。

 

「成長の罠」という言葉を使い、成長率=リターンではないということを何度も強調しています。

 

成長率が高いだけでは、投資家へのリターンが高いかどうかはわからないのです。

 

なぜかというと、成長期待が高い先端企業の株価は多くの場合、高くなりすぎているからです。

 

成長率が高くても、それ以上に株価が上がってしまっているならば、高い値段で株を買う分、投資家のリターンは押し下げられるということです。

 

 

この事実を「IBM」と「スタンダード・オイル」の二つの企業を例に説明しています。

 

1950年時点で、IBMかスタンダード・オイル(現在のエクソンモービル)どちらかに投資をしてその後、配当再投資をしながら50年間保有し続けるとしたら、どちらに投資をするでしょうかというものです。

 

IBMは当時の最先端をいくハイテクセクターの大手企業、スタンダード・オイルはエネルギーセクターの大手企業です。

 

われわれは1950年から50年程の間にどれほどコンピュータ技術をはじめとしたハイテクセクターが社会に大きな影響を与えたかを知っています。

 

ちなみに、2社の1950年から2003年までの成長ペースを示す主な指標は以下の通りです。

 

指標 IBM スタンダード・オイル
1株当たり売上高 12.19% 8.04%
1株当たり配当 9.19% 7.11%
1株当たり利益 10.94% 7.47%
セクター成長率 14.65% -14.22%

 

どれで見てもIBMが上回っています。

 

さて、これを踏まえて1950年に戻ったとしたら、IBMとスタンダード・オイルどちらに投資するでしょうか。

 

アミ
それはIBMでしょ!

 

ここでIBMと答えたなら、まんまと「成長の罠」にはまったことになります。

 

1950年に1000ドル投資したとして、2003年にスタンダード・オイルは126万ドルになっています。

一方、IBMは96万1000ドルです。

IBMが大幅に負けています。

 

アミ
え?なんでそうなるんですか?

 

なぜこうなるのかというと、スタンダード・オイルはIBMをバリュエーション(株価評価)で圧倒しているからです。

 

簡単に言うと、IBMの株価がスタンダード・オイルと比べて高くなり過ぎていたということです。

 

 

指標 IBM スタンダード・オイル
平均株価収益率(PER) 26.76 12.97
平均配当利回り 2.18% 5.19%

 

指標 IBM スタンダード・オイル
株価上昇率 11.41% 8.77%
配当利回り 2.18% 5.19%

(※1950年~2003年)

 

結果として、トータルリターンはIBMが13.83%で、スタンダード・オイルが14.42%になります。

 

スタンダード・オイルは高い配当利回りと安い株価によって株数を増やし、リターンを高めたのです。

 

以上のことから、成長率が高い方がリターンが高いとは言えないことがわかります。

 

これは企業だけでなく国にも当てはまります。

既に成長した国よりも、これから成長していく新興国の方が成長率は高いですが、リターンも高くなるとは限らないということです。

 

結論として、株式の長期的なリターンは成長率(増益率)そのものではなく、実際の成長率と投資家の期待との格差で決まる。となります。

 

アミ
なるほど!

 

しかし、注意が必要なのは、成長率はもちろん重要であるということです。

 

スタンダード・オイルの成長率も市場平均を大きく上回り、十分に高かったことを忘れてはいけません。

 

「成長率が高く、その割に株価が高くなりすぎていないもの」がリターンを大きくします。

 

 

③実際にどのような銘柄のリターンが高いのか

 

それでは、もう少し詳しく、リターンの高い銘柄の特徴を見ていきましょう。

 

『株式投資の未来』では、S&P500の当初銘柄のうち、1957年~2003年までにリターンの高かった上位20銘柄が示されています。

 

1位がフィリップモリスで、年率リターンは19.75%と圧倒的な成績を出しています。

(1957年に投資した1000ドルが約460万ドルになる計算)

(S&P500のリターンは年率10.85%なので大差)

 

その他、コカ・コーラ、ペプシコ、P&Gなどが上位に名を連ねています。

 

これらの銘柄から、特徴を抽出すると以下のようになります。

 

・長期の成長率(増益率)が市場平均を上回る

・PERが高すぎない(低い方がいいが、30倍までが妥当)

・配当利回りが市場平均程度はある(高い方がいいが下回っても可)

・強力なブランドをもっている

 

 

高いリターンを生み出してきた企業は、長期的に平均を上回る増益率を持続してきた企業です。

 

これは『株式投資の未来』の副題にある「永続する会社が本当の利益を生み出す」とも重なります。

 

そして、世界一の投資家であるウォーレン・バフェットが投資先の条件に挙げている「安定的な収益力を証明してきた事業」とも重なります。

 

持続的に収益を生み出す企業は、世界的に強力なブランドをもっています。

 

そして、こういった老舗企業のリターンは、華々しい新興企業のリターンを大抵の場合上回っています。

 

アミ
イメージと異なるけど、実際はそうなのね。

 

シン
「成長の罠」を避けなければいけないね。

 

 

また、特にリターンの高かったセクターに偏りがあり、ヘルスケアと生活必需品セクターが高い運用成績を示していました。

これらのセクターの企業の商品は、不景気だから買わないということが起こりにくいです。

 

 

読んでいるうちに、よくわからなっくなってしまうことがあるので、もう一度書きます。

 

リターンの大きい銘柄は「成長率が高いけど、その割に人気がなく期待されていない銘柄」です。

 

投資家の期待を含めて株価の割安性を測る指標として、PEGレシオがあります。

 

PEGレシオは以下の計算式で求められます。

 

PEGレシオ=PER÷成長率

 

(企業の成長率はEPS成長率でみることが多い)

 

投資家がその株にどれくらい期待しているのかはPERで測ることができます。

 

PERが高ければ投資家の期待が高く、低ければ投資家の期待が低いということになります。

 

PEGレシオが1以下なら一般に割安とされています。

 

※PEGレシオについて、さらに詳しくはこちら↓

【PEGレシオ】割安株を見つける!ワンランク上の投資家へ!

 

 

④リターンは配当によって加速する

 

「配当は歴史を通じて、株主リターンの圧倒的な源泉となってきた。」

『株式投資の未来』p144

 

「成長率が高いけど、その割に人気がなく期待されていない銘柄」のリターンが高いことがわかりましたが、そのリターンは配当によって加速します。

 

特に相場が下落する局面において、配当は2つの役割で投資家に貢献します。

2つの役割とは

・下落相場のプロテクター

・上昇相場のアクセル

 

相場の下落局面において、株価が下がったおかげで配当再投資によって余分に保有株を積み増すことができます。

このことがポートフォリオの価値下落を受け止めるクッションとなります。

これが「下落相場のプロテクター」です。

 

市場全体が下落する局面ではたいてい、配当が減少する以上に株価が大幅に下落するので配当利回りが上昇します。

そして、相場が回復すると、安く積み増した株によるリターンが加速することになります。

安く株を買い、株数を増やしたのだからリターンが大きくなるのは当然です。

これが「上昇相場のアクセル」です。

 

アミ
守りにも攻めにも効くってことですね。

 

ここで重要なのは、配当再投資しながら投資を継続するということです。

 

下落局面を乗り越えることで「上昇相場のアクセル」が働き長期投資家がリターンを伸ばせるのは、下落局面で株を安く投げ売りした投資家がいるからに他なりません。

 

下落局面は心理的につらいですが、そこで辛抱強く継続投資した投資家が最終的にはリターンを大きくするのです。

 

下落相場で狼狽し、上昇相場でなかなか買えず、という行き当たりばったりな投資をしていると、得られたはずのリターンを逃すことになります。

 

シン
実際に下落相場で継続投資するのはつらいかもしれませんが、こういったことをあらかじめ学んでおけば実行できそうですね。

 

 

⑤具体的なポートフォリオ

 

「わたしとしては、株式ポートフォリオの半分を国際インデックス・ファンドに、もう半分をリターン補完戦略に充てることを推奨する。」

『株式投資の未来』p290

 

以上のことから、実際にどのようなポートフォリオを組めばいいのでしょうか。

 

『株式投資の未来』では、シーゲル博士流のポートフォリオの組み方が示されています。

 

結論からいうと、以下のようにポートフォリオを組むことが推奨されています。

 

①ワールド・インデックスファンド

②高配当(高配当株、REITなど)

③グローバル(多国籍企業への分散投資など)

④セクター(ヘルスケア、生活必需品、エネルギー)

⑤バリュー(低PERの株など)

※①を50%、②~⑤を10~15%ずつでポートフォリオを組む。

 

 

①のワールドインデックスは、簡単にいうと、世界に広く分散投資をしましょうということです。

インデックス投資が優れた投資法であることは歴史が証明しています。

ここをポートフォリオのコアにします。

 

そして、②~⑤でインデックス投資を補完します。

 

 

②は配当利回りの高い銘柄を組み込もうということです。

しかし、注意しなければならないのはあくまでも「持続可能な配当」が重要ということです。

一時の高配当では意味がありません。

 

 

③は今回の記事では省略した内容ですが、人口分布などから考えて、今後、世界経済の中心は米国・欧州・日本から中国・インドへ移っていくだろうと言われています。

③では、ここの部分に配慮しようということです。

しかし、だからといって、単純に新興国に投資すればいいということではありません。成長期待が過剰に高まって株価が割高になっていることが多いからです。(「成長の罠」ですね。)

そのため世界中に拠点をもつ多国籍企業で、強いブランド力のあるものがいいでしょう。

 

 

④は過去において最もリターンの高かったセクターであるヘルスケア・生活必需品の優良銘柄をポートフォリオに組み込もうということです。

これらの企業が扱う商品は、不景気だからという理由で買われなくなることはほとんどありません。

 

 

⑤は割安な銘柄を入れようということです。

成長率のわりに期待が低い銘柄です。

 

 

以上の①~⑤に具体的な投資信託や銘柄を当てはめていけば、シーゲル博士流のポートフォリオが完成します!

 

アミ
こういった指針があるとポートフォリオを組みやすいですね。

 

 

まとめ

 

まとめです。

 

『株式投資の未来』から以下のことが学べました。

 

・他の資産に比べて、株の長期リターンは圧倒的である

・成長率≠リターン

・長期的に平均を上回る増益率を持続する企業がリターンを生む

・リターンが大きいのは、成長率が高いわりに期待されていない企業

・長期投資家は、持続的な配当再投資が必須

 

 

『株式投資の未来』は2005年に出版された本ですが、ここで学んだことは普遍的な内容であり、古くなることはありません。

 

理論を学んだら実践あるのみですが、何度も読み返して理解を深めたい名著です。

 

 

世界はいま、過去に例をみないほど爆発的な発明と発見と成長の時代を迎えようとしている。

変化のスピードが速くなるほど、過去の教訓に耳を傾けることはいよいよ重要になる。

「成長の罠」を警戒し、投資の基本原則を理解すれば、過去に例をみない変化の時代にも繁栄することができる。

投資家の未来は明るい。

『株式投資の未来』

 

 

今回は以上です。

 

 

 

シン
こちらの記事もどうぞ↓

貯金100万円以下が53%!老後破産が27%!【あなたはどうですか?】

配当と配当再投資が投資家のリターンを加速させる!

【米国株】AT&Tが爆上げしている!(高配当連続増配株)

【米国株】VOO・QQQを積み立てていく理由

【米国株・ETF】VOOを紹介!着実に金持ちになるS&P500投資!

 

 

こちらの動画(youtube)も参考にしてください。寝ながら聞けます。
↓チャンネル登録や共有をしていただけると、動画更新の励みになります。

(チャンネル登録者00人を超えました!ありがとうございます!)

 

ツイッターでも情報発信をしているので、こちらのフォローもお願いします!

 

-株式投資

Copyright© 自由システム , 2019 All Rights Reserved.